「体重70kgの人は、毎日何カロリー食べているの?」
ダイエットや筋力トレーニングをしていると、このような疑問を持つことがあります。
体重60kgなら1,800kcal、70kgなら2,000kcalというように、体重だけを基準に摂取カロリーを決めたくなるかもしれません。
しかし、実際には体重70kgだから○○kcal食べれば必ず70kgを維持できる、という単純な計算はできません。
同じ70kgでも、身長、年齢、性別、筋肉量、仕事での活動量、歩数、筋力トレーニングの頻度などによって、1日に消費するエネルギーは大きく変わるからです。
体重を維持できているということは、長期的に見ると「摂取エネルギーと消費エネルギーがほぼ釣り合っている」と考えられます。
そこで今回は、体重70kgで筋力トレーニングをしている人を想定し、70kgを維持するためのカロリーとPFCバランスについて解説します。
1. 体重70kgを維持できている理由
体重が70kg前後で長期間安定している場合、基本的には、
「食事から摂取するエネルギー」
と
「基礎代謝+身体活動+運動などで消費するエネルギー」
が、長期的にほぼ釣り合っていると考えられます。
例えば、ある人が1日2,500kcal程度を消費していて、平均的に2,500kcal程度を食べているのであれば、体重は大きく変化しにくくなります。
反対に、消費カロリーが2,500kcalなのに、毎日2,800kcalを食べ続ければ、余ったエネルギーによって体重が増えていく可能性があります。
逆に2,200kcalしか食べなければ、長期的には体重が減っていく可能性があります。
つまり、「70kgを維持している人が何kcal食べているか」は、その人の消費カロリーによって決まるということです。
2. 70kgだから維持カロリーが決まるわけではない
ここが最も重要なポイントです。
体重70kgという情報だけでは、維持カロリーを正確に算出できません。
例えば、同じ70kgでも、
① デスクワーク中心で歩数が少ない人
② デスクワークだが週3回筋トレをする人
③ 仕事で毎日よく歩く人
④ 週5回筋トレをしている人
⑤ 肉体労働をしている人
では、1日の消費エネルギーが異なります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、推定エネルギー必要量は性別・年齢・身体活動レベルによって設定されています。例えば18~29歳男性では身体活動レベル「低い・ふつう・高い」で2,250・2,600・3,000kcal、30~49歳男性では2,350・2,750・3,150kcalとされています。
したがって、70kgという数字だけを見て「維持カロリーは2,500kcal」と決めるのは適切ではありません。
3. 70kg・筋トレをしている人のたんぱく質量
今回の記事では、筋力トレーニングをしている想定で、たんぱく質を体重1kg当たり1.5~2.0gとします。
体重70kgなら、
70kg × 1.5g = 105g
70kg × 2.0g = 140g
となります。
つまり、1日のたんぱく質量は、
105~140g/日
を目安とします。
筋力トレーニングをしている人の場合、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを組み合わせると、この量を確保しやすくなります。
例えば1日3食+間食なら、
・朝食:25~30g
・昼食:30~35g
・間食:15~20g
・夕食:35~40g
というように分けることができます。
毎日ぴったり140gにする必要があるという意味ではなく、105~140g程度を継続的に確保するという考え方です。
4. 炭水化物と脂質はどうする?
たんぱく質の量を決めたら、残りのカロリーを炭水化物と脂質に配分します。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人のエネルギー産生栄養素バランスについて、炭水化物50~65%、脂質20~30%という目標量が示されています。
そこで、今回のモデルケースでは分かりやすく、
P:20%
F:25%
C:55%
を基本的なバランスとして考えます。
Pはたんぱく質、Fは脂質、Cは炭水化物です。
ただし、これは70kgの人全員にとって絶対に最適な割合というわけではありません。
筋トレの頻度、トレーニング内容、日常活動量、食事の好みなどによって調整できます。
5. 1日2,500kcalならPFCはどのくらい?
ここでは、70kgを維持している人の例として1日2,500kcalを設定します。
P20%、F25%、C55%で計算すると、
たんぱく質:約125g
脂質:約69g
炭水化物:約344g
となります。
カロリー換算では、たんぱく質と炭水化物は1g当たり4kcal、脂質は1g当たり9kcalとして計算しています。
この場合、たんぱく質は70kg×1.79g程度となるため、今回設定した105~140gの範囲に入ります。
つまり、70kgで筋トレをしている人が1日2,500kcal程度を消費しているのであれば、
2,500kcal
P:約125g
F:約69g
C:約344g
というPFCは、体型維持を考える際の一例になります。
6. 2,200kcalしか食べていない場合は?
70kgだからといって、必ず2,500kcal食べる必要があるわけではありません。
例えば、日常生活での活動量が少なく、1日の消費エネルギーが2,200kcal程度なら、2,200kcal前後の食事で体重を維持することも考えられます。
P20%、F25%、C55%で計算すると、
たんぱく質:約110g
脂質:約61g
炭水化物:約303g
となります。
たんぱく質は70kg×1.57g程度なので、今回設定した105~140gの範囲内です。
このように、同じ70kgでも、
「2,200kcalで維持する人」
と
「2,500kcalで維持する人」
がいても不思議ではありません。
7. 2,750kcalならPFCはどうなる?
一方、活動量が多い人なら2,750kcal程度が維持カロリーになる場合もあります。
例えば、30~49歳男性の身体活動レベル「ふつう」の推定エネルギー必要量は2,750kcalとされています。ただし、この数値は年齢・性別などを含めた基準値であり、「体重70kgの男性なら必ず2,750kcal」という意味ではありません。
2,750kcalをP20%、F25%、C55%で計算すると、
たんぱく質:約138g
脂質:約76g
炭水化物:約378g
となります。
たんぱく質は70kg×約1.96gなので、今回設定した105~140gの上限付近です。
筋力トレーニングを継続している人が活動量も多い場合、このように炭水化物の摂取量がかなり多くなることがあります。
8. 「70kgの人=2,000kcal」は正しい?
結論からいうと、必ずしも正しくありません。
例えば2,000kcalを食べて70kgを維持している人がいる一方で、3,000kcal近く食べても70kgを維持している人もいます。
重要なのは、その人が実際にどれだけエネルギーを消費しているかです。
筋肉量が多い人、日常的によく歩く人、トレーニング量が多い人は、活動量が少ない人より必要エネルギー量が多くなる可能性があります。
そのため、「70kgだから○○kcal」という体重だけの計算ではなく、自分の体重変化から維持カロリーを探す方法が現実的です。
9. 自分の維持カロリーを調べる方法
自分が70kg前後を維持できるカロリーを知りたい場合は、一定期間の食事量と体重を記録します。
例えば、
① 現在の食事量を大きく変えずに記録する
② 毎日の体重を測る
③ 2~4週間程度の体重の平均を見る
④ 食事量と体重の変化を確認する
という方法があります。
例えば、平均して2,500kcal程度食べている期間に体重がほぼ70kgで安定しているなら、現在の活動量における維持カロリーは2,500kcal前後である可能性があります。
逆に2,500kcal食べているのに、数週間かけて体重が減っているなら、消費カロリーがそれを上回っている可能性があります。
厚生労働省も、エネルギーの過不足については、食事評価だけでなく体重やBMIの変化を用いて評価することを示しています。
10. 体重は1日単位で判断しない
体重を維持したい場合、毎日の体重に一喜一憂しないことも重要です。
例えば朝の体重が、
69.7kg
70.3kg
69.9kg
70.5kg
と変化することは珍しくありません。
これは必ずしも脂肪が増えたり減ったりしているわけではありません。
食事量、水分量、塩分摂取量、排便、トレーニングなどによって体重は変動します。
そのため、「昨日70.0kgだったのに今日は70.6kgになったから食べすぎた」と判断するのではなく、数週間の平均的な変化を見ることが大切です。
11. 70kgを維持するための1日の食事例
ここでは、1日2,500kcal前後、P約125g・F約69g・C約344gを目標とする場合の食事例を考えてみます。
朝食
・ご飯
・卵
・納豆
・焼き魚
・味噌汁
・野菜
・果物
朝から炭水化物とたんぱく質を確保します。
特に筋力トレーニングをしている場合、朝食からたんぱく質を摂ることを意識すると、1日の目標量を達成しやすくなります。
昼食
・ご飯
・鶏肉または魚
・野菜
・味噌汁
・豆腐などの副菜
昼食では主食をしっかり食べ、午後の活動やトレーニングに必要なエネルギーを確保します。
トレーニング前
必要に応じて、
・おにぎり
・バナナ
・パン
・果物
などから炭水化物を補給します。
トレーニング前に大量の脂質を摂るよりも、消化しやすい食品を選ぶと食事を組み立てやすくなります。
トレーニング後
トレーニング後は、
・プロテイン
・おにぎり
・牛乳や乳製品
・通常の食事
などを利用できます。
ただし、プロテインは必須ではありません。
食事だけで1日のたんぱく質量を確保できるのであれば、無理に利用する必要はありません。
夕食
・ご飯
・魚または肉
・野菜
・豆腐
・味噌汁
夕食でも炭水化物を完全に抜く必要はありません。
1日の摂取量を見ながら、必要な炭水化物とたんぱく質を確保します。
12. 70kg維持を目指すなら「PFCだけ」にこだわらない
PFCを設定すると食事管理がしやすくなりますが、PFCだけで食事のすべてを判断するのはおすすめできません。
たんぱく質、脂質、炭水化物だけでなく、
・野菜
・果物
・豆類
・乳製品
・魚
・海藻
・きのこ類
など、さまざまな食品を組み合わせることも大切です。
また、同じ2,500kcalでも、菓子や加工食品ばかりで2,500kcalを摂る場合と、主食・主菜・副菜を組み合わせて2,500kcalを摂る場合では、ビタミンやミネラル、食物繊維などの摂取状況が異なります。
体重を維持することだけを目的にせず、健康的な食生活を継続できる内容にすることが重要です。
13. 体型維持なら「70kg」という数字だけを目標にしない
筋力トレーニングをしている人の場合、体重が70kgでも、筋肉量や体脂肪率によって見た目は大きく変わります。
そのため、
「70kgを維持できている=体型が完全に維持できている」
とは限りません。
例えば筋肉量が増えて脂肪が減った場合、体重は70kgのままでも見た目が引き締まることがあります。
反対に、筋肉量が減って体脂肪が増えても、体重が70kgのままというケースもあります。
筋力トレーニングをしている人なら、体重だけでなく、
・ウエスト
・鏡での見た目
・トレーニング重量
・体脂肪率
・体重の長期的な推移
なども合わせて確認すると、体型の変化を把握しやすくなります。
14. 70kgを維持するためのカロリーは「実測」するのが一番分かりやすい
結局のところ、自分が70kgを維持するために必要なカロリーを知る最も実用的な方法の一つは、実際の食事量と体重変化を記録することです。
例えば平均2,500kcalを食べていて、1~2か月程度の期間で体重が69.8~70.2kg程度を中心に推移しているのであれば、現在の生活における維持カロリーは2,500kcal前後と考えることができます。
一方で、平均2,500kcalを食べているのに徐々に68kg、67kgと減っていくのであれば、現在の消費カロリーは2,500kcalを上回っている可能性があります。
逆に72kg、73kgと増えていくのであれば、摂取カロリーが消費カロリーを上回っている可能性があります。
このように、自分の体重変化を「答え合わせ」として利用すると、より現実的な維持カロリーを見つけやすくなります。
まとめ
体重70kgの人が何カロリー食べているから70kgを維持しているのか。
その答えは、人によって違うです。
70kgという体重だけでは、維持カロリーは決まりません。
年齢、性別、身長、筋肉量、日常活動量、歩数、筋力トレーニングの頻度などによって、必要なエネルギー量は変わります。
今回、筋力トレーニングをしている70kgの人を想定し、たんぱく質を、
70kg × 1.5~2.0g = 105~140g/日
としました。
さらに炭水化物と脂質をバランスよく配分する例として、P20%・F25%・C55%を設定しました。
例えば1日2,500kcalなら、
P:約125g
F:約69g
C:約344g
が一つのモデルになります。
一方、2,200kcalなら、
P:約110g
F:約61g
C:約303g
となり、2,750kcalなら、
P:約138g
F:約76g
C:約378g
となります。
つまり、同じ70kgでも2,200kcalで維持する人もいれば、2,500kcal、2,750kcal、さらにそれ以上で維持する人もいるということです。
重要なのは「70kgなら何kcal」という固定された数字を探すことではありません。
現在の食事量、体重の推移、トレーニング量、日常の活動量を確認しながら、自分の維持カロリーを見つけることです。
筋力トレーニングをしている場合は、たんぱく質を105~140g程度確保することを一つの目安にしつつ、炭水化物と脂質も極端に制限せず、バランスのよい食事を続けていきましょう。
そして、体重が70kg前後で安定しているかだけでなく、筋肉量や体脂肪、見た目、トレーニングパフォーマンスも確認することが、理想的な体型維持につながります。
参照一覧
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準」公式ページ 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」

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